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Archive for 2011年7月

オーテク インイヤー型ヘッドホン ATH-CKS90は密閉型 SJ5(のっちホン)の代替になりうるか?

一昨年の暮れにiPhone 3GSを手にして以来、毎日の通勤時の楽しみと言えば音楽とTwitter。

と言うわけで本日は音楽方面のお話です。

今拙文を読んで下さってる皆さんにはどうでも良いことでしょうが、僕がどんな音楽を聴いているか一応ご紹介しておくと…

まず。常に熱心・常に勤勉であり続けてきたわけではないけど、一応三十年来のテクノファンなので、何はさておきYMO。その流れで、幸宏さんソロ、SKETCH SHOW(細野さん+幸宏さん)、ビートニクス(鈴木慶一さん+幸宏さん)と言ったところは基本中の基本です。

最近はこれに元電気グルーヴの”音圧マスター”「まりん」こと砂原良徳さんのソロワークがヘビロテの常連に加わりました。
もはやこの人抜きにアンビエント・テクノは語れない!そう思います。これだけのクオリティを十年以上維持し、さらに進化(深化)させているところに、彼の無限の可能性を感じています。

さて、テクノと言えば忘れちゃいけないテクノ・アイドル・ユニット、Perfumeももちろん大好きです。オヤジですから(笑)。ちなみに、Especiallyのっちでございます。

Perfumeに関しては昔細野さんが、そしてつい最近教授が、全否定的発言をされたようですが、あれはPerfumeをプロデュースしている某氏の音楽性というかセンスを全否定したのであって、Perfumeというヴォーカル・ユニットの存在やメンバー三人の個性を全否定したわけではないと僕的には理解しているので、例えこの先お二人が否定され続けて、そして右に倣えでYMO信者の多くの方から無視され続けても、僕はファンであり続けたいと思っています。

全国のテクノ好きかつPerfumeファンのみなさん、無視なんかに負けないで頑張りましょう!

って、今回はそういう話じゃないんです(笑)。

それとあと…すみません、KARAが大好きですっ!(笑)
ヘビロテ入りしてます!(笑)

みんなそれぞれ個性があって可愛いのですが、特にスンヨンちゃんが可愛すぎて可愛すぎて、おじさんもうメロメロです(笑)。

ヴィジュアルだけじゃなく、KARAのメンバーの歌唱力は全員本物です。また声質や歌唱法がバラエティーに富んでいるのでアルバムを通して聴いても飽きることがありません。ハーモニーのクオリティもなかなかだと思います。 ってなわけで、

KARA最高ー!

コホン。

前置きが長くなりました。
今回は音楽そのものの話じゃないんです。
ヘッドホンの話なんです。

iPhone 3GSに付属のApple純正イヤホンは、耳の形に合わなくてすぐ外れてくるわ、外部の音はドンドン入ってきて電車やバスでは聞こえないわ、肝心の音質はXXXXだわ、で速攻でオーテクのATH-CKM55を購入。

SONYのBluetoothレシーバに接続して使っていたのですが、そのことを差し引いても充分聴けるレベルの音を鳴らしてくれていました。

ですが、カナル型の宿命というか限界でしょうか、いろいろな音源を聴いていくうち、音像が耳と耳の間の狭い範囲にゴチャッと集まって定位する感じがどうにも我慢できなくなった僕は、密閉型の大型ヘッドフォンへの乗り換えを決意しました。

と言っても特にアテがあったわけでもなく、いざ機種選定となるとアレコレ迷いました。

僕にしては珍しく量販店で試聴もしてみましたが、残念ながらどの機種も低音がドンドンうるさいだけでバランス重視派の僕を失望させるモノばかりでした…。

いい加減諦め掛けていたある日のこと。バランス重視の密閉型ヘッドホンが見つからないことをTwitterで愚痴ったら、
ある方から「ウタダホン」を薦めていただきました。

「ウタダホン?」と半信半疑でググっているうち、これまたあるヘッドホン専門店のサイトにたどり着き、そこで出逢ったのが、今の相棒「のっちホン」ことオーテク ATH-SJ5です。

試聴もせずに買うのは正直ちょっと気が引けたのですが、ぶっちゃけ非常にお安かったので、ダメ元で購入。

エージングを経て耳に当ててみると…

そこは異次元の世界でした!
ヘッドホンを付けているとは思えない豊かな音の広がりと余裕。
今まで聴こえていなかった音がいかに多かったことか、今まで聴いてきた音は一体なんだったのか?!

この世界を知ってしまった以上、もうカナル型にはもどれないな、と心底思いました。

こうしてようやく巡り逢えた「のっちホン」との蜜月は未だに続いているのですが、それに水を、まさに水を差してきたのがこのところの暑さです。

汗をかかないタイプとはいえ、小一時間も装着しているとパッドは結構濡れてしまいます。
毎日の水濡れは「のっちホン」の寿命を縮めることにもなりかねないし、人間の方もこの暑苦しさは我慢の限界を超えてますっ!
(「のっちホン」、ごめんね。)

で、一応サラッと探してみました。
『汗をかかない!蒸れない!暑苦しくない!夏用密閉型ヘッドホン』

…ありませんでした、そんな都合のいいもの。

そこで方針転換。

遮音性も勘案してカナル型やむなしだけど、音の広がりの点で少しでも納得できるものを!

カナル型となるとメーカーの選択肢が一気に広がるけど、今回は最初からオーテクを中心に検討することにしました。

CKM55、SJ5と連続でオーテクを使ってみて、「低音から中高音域までバランスよく鳴らしてくれる」ことでは期待を裏切らないメーカーだと確信が持てるようになったので。

で、オーテクのサイトやAmazonのレビューを参考にして、ほとんど迷うことなくこの1機種に絞り込み、二日間心の中で温めて、三日目にポチリました。

ATH-CKS90

決め手は、
・「低音重視をウリにしているけど、実際は低音も高音もよく鳴り、音の定位の良さも下位機種とは全くの別次元。」
との評価が多かったこと。
・ケーブルが1.2mであること。Bluetoothレシーバをカバンの中に入れて使っているので、ありがちな0.6mでは話になりません。
・オーテク インイヤー型のフラッグシップであり、この機種でダメならインイヤー型の選択肢はこの世から消滅すること。

翌日、Amazonさんから届いたCKS90を早速使ってみたい気持ちを抑え、iPadに繋いでエージング開始!

そして今週、約100時間のエージングを完了し、満を持しての実戦投入となったCKS90について、前機種CKM55そして密閉型SJ5(のっちホン)との聴き比べ実験を慣行。
以下のような結果となりました。

(あくまで被験者数「1」の、個人的思いこみ一杯独断満載のレビューであることをくれぐれもご承知おき願います。)

《CKS90》
ウリの低音を始め、高音まで迫力十分。
どの音もキレが良く「もたついた」感じは一切しない。
すべての音が出しゃばらない程度に主張していて耳に心地よい。
全体的にエッジの効いた小気味よいサウンドを聴かせてくれる。

ヴォーカルには艶があり、歌い手の息づかいまで感じられる繊細な再生を実現している。

CKM55ではほかの音に埋もれて聞こえない音が、このCKS90ではハッキリと聞き取ることができた。

音が両耳の周辺外側から頭の中までの広い範囲で定位してくれるので、密閉型ほどではないが、それなりの爽快感・開放感が味わえる。当然、長時間聴いていても疲れない。

やはりインイヤー型のフラッグシップ機だけのことはあり、CKM55とは異次元の音を聴かせてくれる。

密閉型のSJ5と聴き比べると、CKS90も実は十分「ドンシャリ」なことに気付くのだが、J/K-POPやダンスミュージック中心の選曲なら、むしろCKS90の方が得意かも知れない。

少なくとも音の迫力、キレ、エッジ感そして定位と言った点ではSJ5と比べても遜色ないレベルにあると思う。

ただ、SJ5の持つフラットさ(=ドンシャリじゃないって言うこと)や「音を鳴らしているときに感じられる余裕」的な部分では、インイヤー型は永久に密閉型を越えられないような気がする。専門分野じゃないのでよく分かりませんけど。

《CKM55》
低音も高音も迫力不足なうえ、どの音もすべからくキレが感じられない。「くぐもった」「寝ぼけた」感じというか、音に全然エッジがない。

ヴォーカルにもまったく艶が無く、歌手の息づかいを感じることもできない。

定位は頭の真ん中に集中しすぎていて、開放感も爽快感も全く得られない。こういう定位なので脳が疲れやすく、長時間リスニングには不適。

CKM55は今回久しぶりに使ってみたけど、「やっぱりちょっとツラいなあ」と言うのが正直な感想。

《SJ5》
CKS90のところで書いたことがすべてなんだけど、インイヤー型と聴き比べるとこの密閉型のフラットさに改めて驚かされる。

どの領域の音も出しゃばっていない。声高には主張していない。でも実際に聴いてみると、得も言われぬ開放感と爽快感、幸福感で聴くものの心を捉えて離さない。

言い換えれば、SJ5の作る音空間は自然そのものであり、その領域に近づこうとしているのがCKS90と言える。

もっとも、万能とも思えるSJ5だが、上述の通りその「フラットさ」が災いしてか、ポップス、ロックやダンスミュージック等のカテゴリーの音楽では「あっさりし過ぎ」て物足りないかも知れない。
CKS90の方がヴォーカルが前に出てくることは間違いなく、ヴォーカル曲中心に聴くのであれば、むしろCKS90がベストバイとも言える。

クラシック中心なら諸手をあげてSJ5をお勧めしますが。

【結論】
オーテク 密閉型ヘッドホン SJ5(のっちホン)の代わりは誰もできないけど、音楽によってはそれ以上のパフォーマンスを魅せてくれるのがインイヤー型 ATH-CKS90だ!

インイヤー型、侮るべからず、である。

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